声明

2015.09.19 戦争法成立に断固抗議する声明

戦争法成立に断固抗議する声明

 2015年9月19日、参議院本会議で、日本が攻撃されてもいないのに海外での武力行使を可能にする「戦争法案」が自民党、公明党などの賛成多数で成立した。
 この戦争法だが、「第二次世界大戦以降はじめて日本軍が海外で戦うのを認める法律」(Washington Post,2015年7月16日付)などと外国の新聞でも報じられているように、海外での武力行使、戦争を否定している日本国憲法のあり方を変質させる法律である。そのため、元最高裁判所長官や判事、元内閣法制局長官、全国の弁護士会、圧倒的多数の憲法研究者が抗議するように、明らかな憲法違反の法律である。1946年、ナチスに抵抗した世界中の法律家たちにより設立された、「国際民主法律家協会(IADL)」も2015年8月15日、「この法案が通過すれば、戦後70年を経て初めて、日本が9条に違反して戦争をすることになろう」、「本法制がアジア地域における緊張関係を悪化させることは明白である」との声明を出し、戦争法は憲法違反であり、国際社会の平和構築の障害となることを批判している。多くの市民も「戦争法」の危険性を看過できず、戦争法反対の声を上げてきた。
 にもかかわらず、安倍自公政権は、専門家集団や多くの市民の声を無視し、戦争法を成立させた。憲法を無視し、主権者の声を無視して議会の数の力で戦争法を成立させた安倍自公政権の手法は平和主義、立憲主義、国民主権という日本国憲法の基本原理を根底から蹂躙するものであり、断じて容認できない。
 国会審議を見ても、なぜ「戦争法案」が必要かという立法事実に関し、安倍晋三首相や中谷元防衛大臣の答弁は二転、三転し、戦争法制定の必要性に大いに疑問を持たせるものであった。戦争法案の内容に関する国会審議でも、安倍晋三首相や中谷元防衛大臣の答弁は朝令暮改のありさまであり、安倍晋三首相や中谷元防衛大臣自身が法案の内容を本当に理解しているのかどうかすら疑問を持たざるを得ないものであった。さらには参議院規則136条1項、137条1項との関係でも、議長が議題の宣告をしたのちに賛成者が起立するという表決方法が参議院特別委員会の表決で採用された形跡が確認できないなど、手続的にも参議院特別委員会の議決の正当性を疑わせるものである。
 以上のように、手続的にも内容的にも国の最高法規である憲法に適うものとは到底評価できない戦争法の成立に、私たち「戦争をさせない1000人委員会あいち」は断固抗議する。海外での武力行使を認める法律を制定することは、日本の平和のためどころか、かえって日本を危険にさらす。子どもや孫の世代に平和な日本を引き継ぐため、「戦争をさせない1000人委員会あいち」は、戦争法を成立させた自民党、公明党などの議員を選挙の場で強く断罪する活動に根気強く取り組むとともに、戦争法廃止に向けて今後も活動することを宣言する。

2015年9月19日

戦争をさせない1000人委員会あいち
名古屋市熱田区金山町1-14-18 ワークライフプラザれあろ5F あいち平和フォーラム気付
TEL:052-678-3111 FAX:052-678-3123
HP:http://www.anti-war-aichi.info/
(事務局長 飯島滋明:名古屋学院大学准教授、憲法学・平和学)

海上保安官の日常的な暴力行為、辺野古への新基地建設に対する抗議声明

 「戦争をさせない1000人委員会あいち」は1月28日、沖縄県辺野古での新基地建設に反対する市民に対して海上保安官による暴力行為が日常的に繰り返される事態に強く抗議するとともに新基地建設を断念するよう政府に求める抗議声明を発しましたのでお知らせします。

 

内閣総理大臣 安倍晋三様
防衛大臣 中谷元様
海上保安庁長官 佐藤雄二様

海上保安官の日常的な暴力行為、辺野古への新基地建設に対する抗議声明

 いま沖縄では、海上保安官が辺野古の新基地建設に反対する市民に対して野蛮な暴力行為を日常的に繰り返している。昨年も女性の腕をねじあげたり、海上保安官3人が男性を羽交締めにして後頭部を船底に打ちつけて全治10日間の頸椎挫傷を負わせたり、立入制限区域を示すフロートに入って抗議行動をした男性を海上保安官2人が海中に数回沈めるなどの暴力行為を日常的に行っていた。今年になっても、1月16日には海上保安庁のゴムボートに乗せられた男性が海上保安官に胸を強く押されて肋骨を折るなどの大けがをしたり、状況を撮影しようとした女性映画監督からカメラを取り上げようとして馬乗りになるなどの暴力行為を繰り返している。映画「海猿」の影響もあり一般的には「正義漢」のイメージが持たれている海上保安官だが、現実には、故郷を守りたいという思いで辺野古への新基地建設に反対する市民への暴力集団でしかない。海上保安庁は「特別公務員暴行凌虐罪」(刑法195条)などにあたる違法な暴力を直ちにやめるべきである。
 そして、そもそも海上保安官による日常的な暴力行為を招いた責任は安倍内閣にある。安倍内閣は「沖縄の負担軽減」「抑止力」という主張をして辺野古へアメリカ海兵隊の新基地建設を強行しようとし、反対する市民の徹底的な排除を命じている。「沖縄の負担軽減」と言うが、日米両政府が辺野古に建設しようとする新基地には、佐世保にいる「ボノム・リシャール」などの強襲揚陸艦が停泊できる272メートルの護岸や弾薬搭載区域、そして周辺には米兵のための娯楽施設が日本の税金で整備されることになる。その額は1兆5000億円という試算もある。普天間基地の年間の維持費は280万ドルだが、辺野古に新基地が建設されれば2億ドルにもなり、それを日本が負担することになる。これでは米軍基地の機能強化、負担軽減どころか負担の増大であろう。そして、米軍基地の機能が強化されれば、いざという時には攻撃対象となる。最近では、ジャパン・ハンドラ―の代表であるジョセフ・ナイ元国防次官補ですら沖縄への米軍基地集中に反対し、アメリカ海兵隊の沖縄からの撤退を主張している。にもかかわらず安倍政権は辺野古への新基地建設を強行しようとしている。「沖縄の負担軽減」「抑止力」という虚偽の理由で豊かで美しい自然にあふれた辺野古を破壊し、いざという時には攻撃対象となる巨大な軍事基地に変えてしまうのは「愚挙」以外の何物でもなく、歴史の審判に到底耐えられる行為ではない。
 以上の理由で、「戦争をさせない1000人委員会あいち」は、市民に対する海上保安官の野蛮な暴力行為をただちにやめることを求めるとともに、「負担軽減」「抑止力」どころか沖縄の負担を増大させ、軍事攻撃を招き寄せる可能性を高める辺野古への新基地建設という愚挙を断念するように安倍内閣に対して強く求める。

2015年1月28日
戦争をさせない1000人委員会あいち
事務局長 飯島滋明
(名古屋学院大学准教授、憲法学)
名古屋市熱田区金山町1-14-18 ワークライフプラザれあろ5F  あいち平和フォーラム気付

日米ガイドライン改定による集団的自衛権行使容認に反対する声明

日米ガイドライン改定による集団的自衛権行使容認に反対する声明

 2014年7月1日、集団的自衛権の行使容認の閣議決定をした安倍政権は、引き続き集団的自衛権の行使にむけた政治をすすめている。そうした政治の一環として、2014年10月8日、日米両政府は「日米防衛協力のための指針」、いわゆる「日米ガイドライン」改定の「中間報告」を発表した。「日米ガイドライン」改定により集団的自衛権行使を目指す安倍政権の手法も「国の最高法規」(憲法98条1項)である憲法との関係で重大な問題がある。
 現行の日米安全保障条約の改正交渉の際、アメリカは「ヴァンデンバーグ決議」(1948年)に基づき、日本に「相互援助」を求めた。しかし、アメリカの戦争に巻き込まれることを危惧した当時の日本政府は「海外で武力行使をする集団的自衛権は憲法上認められない」旨の主張をして、アメリカの要求に抵抗した。アメリカ政府も、内灘事件、砂川事件、ジラード事件などの米軍基地闘争が激化するなどの状況の中、日本の中立化を恐れて「海外派兵は憲法上認められない」という日本政府の主張を受け入れた。こうした日米両政府の交渉の末に改正された「日米安全保障条約」(1960年)でも、日米が共同で対処するのは「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」(5条)であり、海外での日米共同の武力行使が条約上の義務とはされていない。つまり、日本が海外でアメリカと一緒に武力行使をするという意味での「集団的自衛権」は日米安全保障条約では認められていない。ところが今回改定されようとしている「日米ガイドライン」は、60年の安保国会で大きな論戦となった「極東」の範囲や、97年のガイドラインでの「周辺事態における後方地域支援」という地理的および権限の制約を取り払い、地球のあらゆる場所での日米共同の武力行使、「集団的自衛権」を可能にさせようとするものである。
 「条約」は形式的効力において法律以上に効力を持つなど、国民の権利・義務に重大な影響を及ぼすことから、その改正には主権者である国民に選ばれた国会議員で構成される「国会」の承認が必要とされている(憲法73条3号)。にもかかわらず、実務的合意レベルの「指針」にすぎない「ガイドライン」で上位規範である「日米安全保障条約」の内容を実質的に変える行為、日米安全保障条約で認められていない「海外派兵」を「指針」にすぎない「ガイドライン」の改定で認める行為は「安保条約の下克上」であり、条約改正に際して国会承認を要件とする憲法73条3号、「議会制民主主義」との関係で大いに疑問があると言わざるを得ない。
 そもそも集団的自衛権の行使は、多くの市民の生命や健康を危機にさらし、日本国憲法の基本原理である「基本的人権の尊重」「平和主義」とは相容れない。それゆえ、「日米ガイドライン」改定により集団的自衛権の行使を認めようとする安倍政権の政治も「基本的人権の尊重」「平和主義」からは決して認められるものではない。のみならず、「日米ガイドライン」改定で日米安全保障条約の内容を実質的に改正しようとする安倍政権の政治手法も憲法73条3号、「議会制民主主義」との関係で大いに問題がある。「戦争をさせない1000人委員会あいち」はこうした「日米ガイドライン」改定に対しても強く抗議する。

2014年10月16日

戦争をさせない1000人委員会あいち
名古屋市熱田区金山町1-14-18 ワークライフプラザれあろ5F あいち平和フォーラム気付
TEL:052-678-3111 FAX:052-678-3123
HP:http://www.anti-war-aichi.info/
(事務局長 飯島滋明:名古屋学院大学准教授、憲法学・平和学)